1: yomiφ ★ 2016/05/23(月) 11:50:30.54 ID:CAP_USER.net
 ヒロインの前に現れるのは、そろいもそろってイケメンばかり。すれ違いや衝突を経ながら、次から次へ恋の花が咲く。
現実にはありそうもないシチュエーションを疑似体験できるこの手のゲームは「乙女ゲーム」と呼ばれ、渇いた女性らの癒やしツールとして絶大な支持を集める。
ヒットの鍵を握るのは、言うまでもなくキャラクターのイケメン度合い。このため、ゲームイラストの出来が売り上げを大きく左右する。
そんな乙女ゲーム界で有名なマンガ家はある日、ネット上で驚愕(きょうがく)の事実を知る。自分がファンタジー用に描いたイケメンたちが、18禁の〝エロゲー〟であられもない姿に改変されていたというのだ。
怒り心頭のマンガ家は、ゲーム提供会社に損害賠償を求めて提訴した。人気ジャンルの舞台裏で何があったのか。

■人魚姫とイケメン王子

 訴訟記録によると、訴えたのはゲーム作品の原画も手がける女性マンガ家Aさん。平成21年ごろから活動しており、ペンネームをネット上で検索すると複数作品がヒットする、その世界ではよく知られた存在だ。
 Aさんは25年6月、ゲームの企画・開発を行う東京の制作会社から、携帯型ゲーム機「プレイステーション・ポータブル」(PSP)用の新作乙女ゲームに使うイラストの依頼を受けた。
 ゲームはアンデルセン童話「人魚姫」がベース。ヒロインである人魚の少女が人間の姿になって人間界を訪れ、7人の男性のいずれか(ゲーム展開により異なる)と恋に落ちるという内容。
女性対象の恋愛シミュレーションゲームで「ファンタジーもの」と説明され、Aさんも契約に合意した。
 納期までに完成させたのは、ゲームソフトのパッケージジャケット絵2点▽登場人物10人ほどの立ち絵(制服、私服の各2点を3ポーズずつ)
▽ゲームの進行によって各場面で挿入されるイベント画約100点▽コミック(ゲームソフトの付録)36点-など。
このほか原画作家としてのインタビュー協力なども契約に含まれた。報酬は350万円だった。
 出来上がったゲームのパッケージイラストでは、7人の男たちがヒロインを取り囲む。王子に医師、海賊と魔法使い、金髪、銀髪、ロング、巻き毛と個性もさまざまだ。
タイプの違うさまざまなイケメンたちとこれからどんな物語が始まるのか、手にした人はさぞ胸を躍らせたに違いない。

no title


■一糸まとわぬ〝野獣〟に

 ゲームは26年11月に予定通り、この制作会社が展開するゲームブランドの1タイトルとして発売された。同ブランドはこれまでも多くのソフトを世に送り出しており、人魚姫のゲームもたちまち話題となる。

 「とてもスチル(静止画)がきれい」
 「男性キャラクターたちみんなの表情がセクシーですてき」

 ネット上には感想が次々書き込まれた。原画作者としてクレジットされたAさんの実力が、ヒットの大きな要因となったのは間違いない。
 だが「人魚の冒険」はここで終わらなかった。

 翌年の夏、Aさんは制作会社から「ゲームのソーシャル化につきまして」と題する1通のメールを受け取った。今回のゲームをPSPからスマートフォン向けオンラインゲームとして改めて配信する、という。
 当初の契約でも、ゲームがPSP以外の媒体に移植される可能性があることは明記されていた。このためAさんは特に異議を唱えることもなく、申し出を受け入れた。
 それから、しばらくたって、Aさんは妙なうわさを耳にした。

 「人魚姫のゲームのアダルト版が存在する」

 探してみると、大手ゲーム配信サイト内の「R18オンラインゲーム」カテゴリーに、それはあった。
試しにプレーしてみると、そこでは自分が生み出したあのイケメンたちが、一糸まとわぬ姿に変わっていた。

>>2につづく)
http://www.sankei.com/west/news/160523/wst1605230007-n1.html

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